「がむしゃらに仕事を頑張ってきたけど、このまま今の会社で頑張り続けていいんだろうか」なんて考えることありませんか?
私は新卒で入社した以前の会社でやばい上司に苦しめられ6年で辞めました。別の会社に移ったからこそ前の会社のことを客観的に見れますが、結構やばい会社だったと思います。
この記事では転職を経験したから分かったやばい会社の特徴をご紹介します。
有給休暇が取りにくい
休日出勤しても手当がでない
勤務時間外に会社から個人携帯に電話が来る
離職率が高い
社員研修プログラムが少ない
コンプライアンスが効いてない
人件費削減を唱え出した
理論よりも精神論が多い
前の会社が決して変な会社だったわけではなく一部上場の有名企業でした。その会社に勤めていることにステータスを感じていたし、家族や友人にも「いい会社に入ったな」と言われてました。
「自分はいい会社に勤めている」というバイアスがかかってたこともありますが、やっぱり比較できる外の環境を知らなかったので自分がやばい会社に勤めてるということに気づきませんでした。
あなたも外の世界を知らないが故に「会社ってこういうもの」と思い込んでいるのかもしれません。
勤怠管理がいい加減(=サービス残業が多い)
前の会社では出社時間と退社時間を勤怠システムに自分で入力するいわゆる自己申告制でした。例えば ”実際は朝7:00に出社しても9:00出社として申請する” みたいなことは日常的でした。なぜなら会社は「ムダな業務は減らして従業員の残業時間を減らしましょう」と言い出し、残業時間は月10時間までと制限されたからです。
従業員がムダな業務をしないようにするためには、管理監督者=上司が部下にムダな仕事をさせない努力も本来は必要です。しかし実際はそれまでと何ら仕事量もやり方も変わらず、会議と報告ばかりに時間を費やしてたので、残業時間を減らすためには勤務時間を短く自己申告してサービス残業するしかありませんでした。
全てのしわ寄せが従業員に寄せられ、ただ従業員を搾取するという構図です。
上司もそんな勤務実態を分かってながら知らんぷりで、ただ10時間以上の勤務記録が残らないように目を光らせてただけです。
このような実労働時間と申告労働時間の乖離というグレー(というかブラック?)な問題を抱える会社は少なくないですが、”会社側がそれを改善する気がなかった” ことが大きな問題だったと今では思います。
いまの会社ではまずタイムカード制が導入され、入口のゲートでIDカードを通さないと入出館ができない、且つそれがタイムカードを兼ねるようになりました。その後パソコンを家に持ち帰ることも禁止となったので、労働時間の過少申告をやろうとしてもできない仕組みになってます。
またコロナ禍で在宅勤務が増えましたが、在宅勤務中は出勤時間と退勤時間は自己申告でシステムに入力するスタイルです。ただしパソコン起動時と終了時のログを取り、申告時間との乖離があれば上司が労働組合に報告しなければならないため、やはり過少申告ができない仕組みになってます。
有給休暇が取りにくい
前の会社では有給休暇を申請すると「何で休むの?」と理由を聞かれ、「遊びにいくために有給なんて取っていいわけないよな(怒)」という無言のプレッシャーがありました。なのでどうしても有給休暇を取りたい時は、当日の朝仮病を理由に上司に連絡をして休んでました。有給取得を計画してから当日連絡するまでの間は、「どういう風に話そうかな・・」「こんな言い方すると嘘くさいかな・・」みたいなことばかり考えて、かなりのストレスを感じてました。
同僚の中には「有給取ったら評価も下がるからね」と ”どストレート” なブラックワードを叩きつけられた人もいました。
なので有給取得は年に2〜3日くらいしかなく、”有給休暇は捨てる” のが当たり前の感覚でした。いま考えると自分もそれが当たり前と思ってたこと自体が会社に毒されてましたね。
いまの会社では年末時点で有給残日数が20日を絶対に超えてはいけないルールになってます。なので10月頃になってくると有給残日数が多い人は上司から「早く有給休暇を取得しろ」と逆に怒られてしまいます。
休日出勤しても手当がでない
前の会社では恒常的に忙しくて月2回くらいは休日出勤してました。
休日出勤が多いこと自体は考え方は人それぞれで、「手当がもらえて給料が増えるからある程度やりたい」という人もいると思いますが、私の会社の場合は休出手当も代休取得もありませんでした。
これは「タダ働きさせられるなんて損だ!」という単純な問題ではなく、その会社の社員に対する姿勢の問題です。
社員の貢献に対して対価を支払わないというのは、会社が社員を搾取する対象として見てるということです。(そもそもサービス出勤をさせることは違法行為です)
こういう会社はさんざん社員をこき使った挙句に業績が悪くなると平気でリストラをしたり、社員がうつ病になったら退社へと追いやったりします。
こんな会社はあなたの身に何かが起きても守ってくれません。
いまの会社では組合員が休日出勤することは皆無に等しいです。どうしても休日出勤が必要な場合は上司が労働組合に必要性を説明し合意を得る必要があります。また休日出勤した場合は休出手当が支払われる上に、代休も取らなければいけません。
勤務時間外に会社から個人携帯に電話が来る
「今日は珍しく仕事が早く終わったので早く帰ってゆっくりビール飲みたいなぁ」
「でもあの先輩忙しそうだし先に帰りづらいなぁ」と思いながらも、先輩が席を離れてる隙にささっと退社。
家に帰ってウキウキしながらビールをグビっと一口飲んだ瞬間に携帯に着信・・・。
案の定あの先輩からの電話でテンションダウン。。。
イヤイヤながら電話に出ると「あれっ、今日は早いんだね。」となどと嫌味から始まり「あの仕事の件だけど・・・・」って、長々と仕事の話をされる。。。
こんなことがよくありました。
この先輩個人だけの問題ではなく、何かあると上司から「ちょっとあいつに電話して聞いてみろ」と言われるような職場でした。
勤務時間中と勤務時間外の線引きがグダグダでしたね。自分も入社以来ずっとそんな環境で働いていたので、それが当たり前のことと受け入れていました。
こういう風潮のある会社だからサービス残業やサービス休日出勤をすることが当たり前だったんですね。
いまの会社では緊急時の連絡網として携帯番号が共有されてますが、災害などの緊急時以外に使用するのは禁止されてます。
離職率が高い
会社を辞める人が多いと言うのは当然それだけの理由があるということです。その会社に不満があるもしくは他に条件のいい会社がたくさんあるということですね。
なので離職率は会社の健全性のバロメーターといえます。
特に若手がどんどん辞めていく会社はやばいです。
新卒採用というのは先行投資です。初めの数年は先輩・上司に教えてもらいながら学んでいくもので、給与に見合った働きは期待できません。ようやく仕事を一人で任せられるようなったと思ったら辞めてしまうのでは、仕事のノウハウが積み上がらず会社として仕事の質も上がりません。
また会社は毎年一定数の新入社員を採用し、一定数の社員が定年を迎えることで新陳代謝が図られ、健全な組織を維持できるのですが、離職率が高いとそのバランスがどんどん崩れてしまいます。
傾向として若手は別の可能性を追いかけて辞めてしまい、ベテランは他に行くアテがないので会社にしがみ付く傾向にあるので、平均年齢がどんどん高くなりイノベーションの生まれない体質の会社となっていきます。
ちなみに新入社員の方はその会社の離職率の高さが感覚的に分からないと思いますが、分かりやすい指標として ”若手の先輩が少ない” あるいは ”中途採用がやたら多い” 場合は要注意です。会社に愛想をつかして若手社員がどんどん辞めたため若手社員が少ない、あるいは会社の業績が悪いため新卒採用をしばらくしてなかった可能性があります。いずれの場合にしてもいい会社とは言えませんね。
離職率のデータが無いので今の会社との客観比較ができないのですが、前の会社の同期入社6名のうち私を含めて4名が辞めてます。同期の約7割が会社を辞めたというのはなかなかの数字ですね。
社員研修プログラムが少ない
社員は会社の成長の原動力です。社員のスキルや経験値が上がることでより付加価値の高い成果をあげられるようになり会社の業績がよくなっていきます。
なのでまともな会社は社員研修にもしっかり力を入れて社員を育てようとしてます。しかし業績の厳しい会社や社員を大切にしない会社(どっちもやばい会社ですね)は、社員教育にお金を使うことを惜しみます。
前の会社ではOJT(On the Job Training)という言葉がよく使われてました。つまり業務の中でスキルを身につけろということです。OJTは実践に直結するスキルを身につけることができるので効率のよいトレーニングという側面もありますが、一方で今やってる業務でしか使えない、応用の効かないスキルしか身に付かないリスクもあります。
イメージでいうと下図のように仕事は複雑に絡み合ってるものです。
実務の中で赤矢印の流れの仕事は完璧にこなせるようになっても、青矢印の仕事をどうやったらいいか分からない、ということが起こり得ます。
なのでOJTとOFF-JT(座学による研修)の両方を組み合わせることで、体型的に応用の効くスキルを身に付けることが理想です。
前の会社では分からないことを先輩に聞きたくても「ちょっと忙しいから後にして」「このマニュアルをみてやっといて」という感じでした。OJTという名の ”放置” に近かったですね。
いまの会社では人事部策定の人材育成ロードマップがあり、入社年数・職位・業務内容などに応じて必須の研修プログラムが決まってます。これは社員のスキルアップのためだけでなく、社員が誤った仕事のやり方をすることによる法令やコンプライアンス違反を防ぐためです。
やばい会社はコンプライアンスなんて二の次ですが、まっとうな会社はちゃんとそこまで先回りして予防します。
コンプライアンスが効いてない
やばい会社は目先の利益が最優先でコンプライアンスは二の次になりがちです。なんならやばいことは隠そうとして、挙句に内部告発で不祥事が発覚するというのはよく聞く話ですよね。
前の会社では6年間しか働いてなかったのでどこまで深い闇を抱えた会社なのか分かりませんが、サービス残業やサービス休日出勤などは完全アウトな例です。
その他にも例えばテスト用に作った試作品は使い終わったら廃却しなければなりませんが、社員が勝手に持ち帰って私用で使うというのが当たり前になってました。「次の試作品は俺が欲しいから使い終わったら教えて」という感覚です。
このようにコンプライアンスが効いてない会社は、パワハラ・セクハラ・横領・法令違反の温床が出来上がってるということです。
あなたを待っているのは会社に搾取され続ける人生かもしれません。そんな会社で本当に仕事を続けていくのかよく考えることをおすすめします。
人件費削減を唱え出した
ビジネスの基本は売上(粗利)を最大化させ経費を最小化することです。
経費を最小化させるために様々な業務の効率化やムダな費用の削減を突き詰めていくのは当然のことですが、人件費の削減まで唱え出した場合は経営状況がかなり深刻なレベルにある可能性があります。
社員は会社の原動力ですので社員には高いモチベーションを維持しながら会社の事業に貢献してもらうことが会社の持続的成長には不可欠です。
例えば、販促費用を制限、出張時の新幹線はグリーン車禁止、社内レクリエーション行事は中止などで会社の経費を削減することは、ちゃんと社員に会社の状況と必要性を説明することで社員の理解を得ることはできます。
ところが給料ダウン、ボーナスカット、残業時間制限(且つ仕事のボリュームは変わらない)のように社員の収入まで削減することになると、社員のモチベーションダウンに直結し、優秀な社員が辞めてしまう、仕事の生産性が下がるといったリスクを伴うことは会社としては百も承知です。
分かっててもそこに手をつけないといけないというのは、会社がかなり逼迫した状況にある可能性があります。
その延長線上には社員のリストラや経営破綻が待ってるかもしれません。
いまの会社は ”社員を大切にする” という強い企業理念があり、これまで経営状況が苦しくてもリストラを一度もしたことがありません(それほど極限まで業績が落ち込んだことがないのかもしれませんが)。そういう実績を伴う企業理念があることが会社への信頼につながってます。
理論よりも精神論が多い
これは私が前の会社を見切った一つの理由でもあります。
例えば社長の年頭のスピーチで「皆さん一人一人の力で何とかこの厳しい局面を乗り越えましょう」というのはどこの会社でもよく聞くセリフです。大切なのは厳しい局面を乗り切るために具体的かつ納得性のある方向性が示されてるかということです。
身近な上司に置き換えると「今月の計画は死守しろ!」と言うけど、こっちは現場の状況から非常に厳しいことが見えているのに上司はただ「何とかしろ!」と言うだけ。
こうすればできるというアドバイスもない。何とか知恵を絞って「これだけの施策費を使えば何とかできる可能性はあります」と提案しても「そんな追加の施策費が認められるわけないだろ!」で終わる。
こんな精神論ばかり唱えても理論が伴わなければ結果には結びつきません。
何としてもこれを成し遂げたいという信念を持つことは大切ですが「気合いで成し遂げろ!」という風潮のある会社は将来性は怪しいですね。
精神論というのは日本の文化に根付いているところがあり、もちろん今の会社にも精神論を唱える人はいます。ただうちの会社では ”理論を大切にしろ” という言葉がよく使われます。「理論の裏付けのない計画はただの大風呂敷だ」と昔の上司に言われたことは今も教訓として残ってます。
まとめ
外の世界を知らないと「会社ってこういうものだ」と思い込んでしまうものです。
私も転職を経験したからこそ自分が狭い世界で無駄な時間を費やしてもがいていたことに気づきました。
あなたも今の会社で理不尽さを感じながらも、これが自分の生きる世界だと思い込んでいませんか?
外の世界を知ることであなたの人生の可能性はもっと広がるかもしれません。
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