サラリーマンの誰もが「仕事ができるようになりたい」「効率的に仕事を回せるようになりたい」と考えますよね。自分の知識を広げ、スキルアップをするために、様々なビジネス本や専門書を読み漁る方もいると思います。
知識や理論を学ぶことは自己成長のために大切なことですが、ただしそれだけでは仕事ができる人にはなれません。
仕事ができる人とは「周りの人を巻き込んで仕事をができる人」です。
「周りを巻き込む力」は日頃から意識して行動をしないと、自分の仕事スタイルとして身につきません。「周りを巻き込む力」がなぜ大切なのかお話しします。
・人の手を借りることで仕事の質と効率が上がる
・キャリアを重ねるごとに人を使う能力が求められる
人の手を借りることで仕事の質と効率が上がる
人の手を借りると言うのは単純にあなたの仕事を分割して作業を手伝ってもらうことではありません。レベルの高い仕事になるほど、より幅広い、あるいは高度な分野の知識や情報が必要になってきますが、それぞれの分野をよく知っている人の知識や手を借りることで仕事の質と効率を上げることができます。
いまはインターネットなどで様々な情報が集められる時代ですので、自分で分からないことは時間をかければ多くのことは調べることもできますが、それでは時間も掛かりますし、それが正確な情報ではない可能性もあります。それではいつまで経っても仕事の質も効率も上がりません。
真面目な性格の人や、仕事にこだわりを持つ人ほど、自分で全てやりたがる傾向にあります。
しかし仕事のできる人は、他人に任せられる部分はどんどん任せるのです。
例えば、物流に関することは物流部、お金に関することは経理部、法律に関することは法務部など、専門部署に相談して知りたいことを教えてもらいます。また場合によっては資料一枚にまとめてもらうようお願いするのです。会社は組織で仕事をするものであり、専門性の高い内容はその専門部門にまかせればよいのです。これはあなたが仕事に無責任なわけでもなく、怠けてるわけでもなく、会社として本来の仕事のやり方です。
また自部門の領域で分からないことがあれば、上司や先輩にどんどん相談してアドバイスをもらいながらブラッシュアップしていけばよいです。
ただし注意すべきは、人に作ってもらった資料や教えてもらった情報を何も考えずにただ使うのではダメです。それをちゃんと自分の口で説明できるようになるまで理解をすることが大切です。分からないことがあればさらに詳しく聞く、もしくは自分でも調べてみる。そうすることで、自分の知識・経験として蓄積することができます。
新入社員は一人でできないことが多いですが、周りの人に教えてもらいながら仕事をしますよね。これは新人に限ったことではありません。中堅だろうがベテランだろうが、周りの人の力をうまく使って自分の能力以上の仕事ができれば会社から評価されるのです。
キャリアを重ねるごとに人を使う能力が求められる
会社でチームリーダー、課長、部長とキャリアアップしていくにつれて、専門能力よりもマネージメント能力がより求められてきます。マネージメント力とは正に人を使って仕事を動かす力です。例えば10人の部下を持つ課長は10人分の仕事を一人でこなす能力を持っているわけではありません。10人の力をうまく使って最大限の成果を生み出す能力を持っていると会社が判断した人です。
あなたも「現場のことや実務のことは上司よりも自分の方がよく知っている」と思うことはよくありますよね?それは実際そのとおりで、あなたの担当領域のことは、あなたの方が現場をよく分かっているし、実務を早くこなすことができるはずです。
しかしあなたの上司の仕事は、あなたとその他課員の力を組み合わせることで、あなた一人では達成できないような部門としての大きな成果を生み出すことです。あるいは他部門も巻き込むことで自部門だけでは達成できないような、より大きな成果を生み出すことなのです。
あなたもこの先キャリアを重ねていくと、そういったマネージメント能力が求められてきます。
仕事の知識やスキルは経験を積んでいくとある程度は身に付いてくるものです。しかし人を巻き込んで仕事をする能力というのは、自分がそのように意識して立ち振る舞っていかないと身につきません。自分一人で全ての仕事ができるようになることに自己成長を感じているのは自己満足でしかありません。それではいつまで経っても自分で全て抱えて仕事をしてしまい、自分のキャパを超えた仕事はできない人になってしまいます。そうなるとそこで成長は止まってしまいます。
「仕事ができる人」と呼ばれるようになるためには、周りの人を巻き込む仕事スタイルを習慣づけるように心がけましょう。