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海外駐在で失敗する人の7つの特徴【8年半の海外駐在経験から解説】

失敗する駐在員

海外での仕事や生活に興味のある方にとって、海外駐在というのは一つの憧れではないでしょうか。私も「いつか海外で生活したい!」と思って海外営業の職を選び、これまで2カ国・8年半の海外駐在を経験してきました。

自社・他社含めてこれまで多くの海外駐在員に出会いましたが、海外駐在して仕事がうまくいかずに苦労した、精神的に疲れて帰任してしまった、など多くの失敗事例を見てきました。

そんな私の経験をもとに「海外駐在で失敗する人の7つの特徴」をご紹介します。

「海外駐在のチャンスが巡ってきたけど、どんなことを心掛ければいいか知りたい」
「海外駐在ができる仕事に就きたいけど、自分に務まるか心配」

という方は本記事を参考にして頂ければ幸いです。

日本の仕事のやり方を現地に押し付ける

日本での成功事例や効率的な仕事の流れを現地にも浸透させ、オペレーションの質を上げていこうという発想は正しいことです。ただし「日本でうまくいったやり方が海外でもうまくいくとは限らない」ことを認識する必要があります。

これは私の昔の上司の例ですが、その上司は何かアクションを起こす前に必ず事前調査や様々なパターンを想定したシミュレーションによるリスク分析を徹底する人でした。このアプローチは豊富な客観データや前例/類似事例のある成熟市場では有効ですが、データも前例もほとんど無い未開拓市場ではそこに時間を費やしてもあまり効果的な分析結果は得られません。

そんな効果の得られない机上の分析ばかりさせられて、何もアクションが起こせないというフラストレーションのせいで、優秀な現地スタッフが会社を辞めてしまいました。「うちのボスはこの国のビジネスのやり方を分かってない」という言葉を残して去っていきました。

未開拓市場を攻めるには「まずはやってみて、結果を見ながら軌道修正していく」というトライアンドエラーを高速に回していくのが効果的なアプローチです。

しかし成熟市場での経験しかない上司が自分の成功体験を無理やり押し付けたことにより失敗した典型的な例と言えます。

現地人に対して常に上から目線

「あいつらはいくら言っても全然分かってない」というのが口癖の駐在員と昔一緒に働いてたことがあります。日本語が通じないのをいいことに現地スタッフに対して文句ばかり言ってて、周りで聞かされるこちらも不愉快でした。

こういう人は自分は現地スタッフに一方的に教える立場だと勘違いし、常に上から目線で接します。こういう態度を取ってると言葉は理解されてなくても、相手には感覚的に伝わります。そうなると心の溝ができてしまい、信頼関係やチームワークは生まれません

そもそも実際には現地人から教わるべきこともたくさんあります。その国での商習慣や取引相手との接し方、現場で起こってる実態などを一番知ってるのは現地スタッフです。

自分の知らないことは教わり、自分が与えられる知恵や知識は伝える、という相互補完の関係であることを忘れてはいけません。

何でも自分でやりたがる

自分でやった方が早いから」といって自分自身で手を動かして何でもやってしまう人はいくら仕事ができる優秀な人でも駐在員としては失格です。

駐在員の大切な役割の一つは現地スタッフの育成です。駐在員はその拠点で数年しか仕事をしませんし、自分が帰任したあとに後任の駐在員が来る保証もありません。その国でずっと拠点を支え続けてくれるのは現地スタッフなので、彼らのスキルの底上げをすることが永続的な拠点の発展につながるのです。

なので、仮に自分が成功への道筋を知っていたとしても、その道筋の見つけ方、その道筋の辿り方、その道筋を早く進む方法を現地スタッフに手取り足取り教え、彼ら自身に成功体験をさせるように導かなければいけません。

仕事が指示待ち

駐在員というのは駐在先でのポジションは色々違えど、その拠点の経営メンバーの一員と自覚する必要があります。

会社はあなたに実務をバリバリこなしてもらうためだけに、わざわざ高い費用を払って海外に送り出すわけではありません。社長の右腕となり、現地スタッフを束ねて仕事を引っ張っていくことを期待しています。

駐在先では限られた数の駐在員で拠点の事業運営をしなければならず、駐在員一人一人が多くの役割をこなさなければなりません。あなたの上司も同様ですので、わざわざあなたが日々何をすべきかをいちいち指示する余裕はありません。

拠点の目指す事業目標を達成するために何をすべきかを、自ら考えて行動を起こす能動性を持ってないと駐在員としてのスタートラインにも立てません。

チャレンジ精神がない

ビジネス環境は時代とともに変化し、会社の事業も環境変化に適応しながら進化しなければなりません。時には従来のやり方をゴロっと変えるようなチャレンジも必要です。

日本では一担当者として会社が示す方向性に向かって頑張って走ればよかったかもしれませんが、駐在先ではあなたは経営メンバーの一員ですので、進むべき方向性を見いだし、指し示さなければなりません。

例えば営業担当として5年間駐在するとします。5年間あればビジネスのあり方も大きく変化します。この5年間で考えるとSNSマーケティングが急速に普及し、雑誌広告からSNS広告にシフトしてきました。またこの先5年間を考えると、ポストコロナの時代ではまた大きく世界が変わってる可能性があります。

このような時代の変化をいち早く察知し、新たなビジネス手法にチャレンジしていかなければ会社は生き残っていけません

漫然と同じ仕事を繰り返すようなスタンスでは事業運営を担う駐在員の役目は果たせません。

完璧主義者

責任感を持って仕事を完璧にやり遂げようとする姿勢は素晴らしいのですが、海外ではこれが空回りしてうまくいかないことが多々あります。

完璧を求める人は自分の理想とする姿を部下にも求めますが、その理想とする姿が現地人にとっては受け入れられない場合があります。

分かりやすい例を挙げると、報告資料を作るのにディテールや見栄えを含めてあなたが理想とする完璧にものに仕上げるために、現地スタッフに何度も何度も細かい修正をさせたり、挙げ句の果てには残業までさせてしまうと相当な反発を喰らいます。

日本人は時間をかけて「美しい資料」を作りますが、多くの外国人からは「そんなことしなくても内容は伝わるのに無駄なことに時間を費やしてる」と見られます。ましてやそんな無駄な作業のために残業をするなんて彼らにとってはあり得ないことです。このような美しい資料作りを求めることは、現地スタッフとの摩擦を生むばかりで、いいことは何もありません。

海外でうまく仕事を回すには、その国の仕事のやり方やマインドを理解し、自分のこだわりに固執せずに割り切ることも大切です。

現地の文化に関心がない

海外で仕事をするならやはりその国の文化や物事について興味を持って学んでると、現地人の部下や取引相手との話も弾んだり、相手から好感も持たれやすくなります

例えば逆の立場で考えると、日本に来た外国人が「日本のお寺が好きになって毎週末お寺めぐりをしてる」とか「日本料理が美味しいので料理教室に通い始めた」みたいな話をされると好感を持ちますよね。やはり人と人の付き合いですので当然のことです。

また現地人の価値観を理解することはビジネスの理解にもつながります。現地の人と同じものを見て、同じものを食べて、同じニュースを見て、同じことを感じてると、肌感覚として現地人の嗜好が分かってきます。そうすると、どんな商品が喜ばれるのか、現地人に刺さる訴求ポイントは何かみたいなことも見えてきます。

まとめ

私の経験をもとに、海外駐在で失敗する人の特徴をご紹介しました。

海外駐在というのは色々失敗することや大変なこともありますが、あなたの人生で忘れられない特別な経験になります。

もしあなたにそのチャンスが巡ってきた、あるいはこれからチャレンジしたい気持ちがあるならば、ぜひチャンスを掴みにいくことをおすすめします。

駐在員の仕事について興味があれば↓こちらの記事も参考にしてみて下さい。

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