「海外営業ってどんな仕事なんだろう?」
「海外営業に憧れるけど自分もなれるかな?」
そんな疑問にお答えします。
私は転職歴があり、2社のメーカーで20年以上の海外営業の経験があります。また2カ国・8年半の海外駐在も経験しています。
そんな私の実体験をもとに、世間ではあまり知られていない海外営業の実態をご紹介します。
海外営業の仕事内容
まず海外営業ってどんな仕事なのかをご紹介します。
基本的には海外の販売現地法人(自社の海外支店)や代理店などのクライアント企業との窓口になり、商品/サービスの売り込みや販売促進を行うのが海外営業の仕事です。
海外営業職の多い企業は商社・メーカー・金融系で、会社によって違いはありますが基本的にやってることは、海外の取引先に商品/サービスを売るということです。
私の場合はメーカーに勤める海外営業で、海外の販売現地法人と代理店を相手に日々仕事をしています。
具体的な業務
具体的な業務は以下のようなものです。
日常業務
・取引相手との日々のコミュニケーション
・日々の販売進捗や市場・他社動向の管理
・受注と出荷管理
・費用請求と回収
テーマ業務
・市場調査によるマーケット情報の把握(ユーザー・競合他社)
・販売戦略の策定(商品投入・販促施策展開・販路拡大)
・販売戦略実行のため取引相手との交渉
・海外出張(市場調査や取引相手との交渉)
基本的な業務は国内営業と似てますが、大きな違いは取引相手が海外にいることです。
営業ですから日常業務の基本は「取引相手からオーダーをもらい代金を回収する」ことです。合わせて毎日の販売進捗管理や他社情報収集を行うことで市場動向をつかみます。この情報の蓄積が商品開発や販売戦略策定につながっていきます。
このような日常業務と並行して、さらに販売を拡大するためのテーマ業務も行います。ここが仕事として面白みがあるところです。
調査データや市場データを使って、どうすればさらに販売を伸ばせるかを考えます。
・いま売ってる商品だけで全ての客層を取り込めているのか?
・取り込めていない客層があればどのようなニーズの客層なのか?
・そのニーズは既存の商品で満たせるのか?
・新商品の開発が必要なのか?
・その客層にアプローチするためにはどのような販売戦略が最適か?
・今の販売網で十分なのか?
などを突き詰めていきます。そのために必要であれば海外出張して実地調査を行ったりもします。
実地調査の例
・実際に自社商品を使ってるお客様を集めて/訪問してアンケート調査
・テスト品を使ってもらい感想を聞く
・調査エージェントを使って現地販売店の接客チェック(ミステリーショッピング)
・他社の販売店を視察してディスプレイ・接客・販促施策をチェック
それらの結果を社内提案としてまとめるのですが、それが新商品提案だったり販促施策提案だったり、場合によってはいまの代理店とは契約を切って他の代理店と契約するという提案もあります。
その提案が社内承認されれば、自分が推進責任者として関連部門を巻き込みながら実行していきます。
このように海外営業の仕事をまとめると以下の通りです。
② 日々の販売推進を行う
③ 将来の販売拡大の仕込みをする
実は煩雑な日常業務も多い
海外営業というと華やかでスマートな仕事のイメージがあるかもしれませんが、結構煩雑な日常業務も多いです。
・商品出荷準備ができたのに入金がされなくてメールと電話で催促しまくる
・取引相手からの問い合わせ・クレームを受けて社内各部門との調整に追われる
・販売実績のまとめや月次報告資料作りなどの社内業務に追われる
・開発部門からあれこれ問い合わせを受けて現地に確認する
・現地と社内部門の板挟みになって調整に追われる
また文化や商習慣の異なる外国人を相手に仕事をしますので、日本人同士だと暗黙の了解で通じることでも海外では通じないことが多いです。なので勝手な思い込みや誤解が生じないように、一つ一つ丁寧に説明したり確認をする手間もかかります。
海外営業の醍醐味
煩雑な仕事も多い海外営業の仕事ですが、他の仕事では味わえない醍醐味もあります。色々苦労することがあっても「これがあるから海外営業はやめられない!」という醍醐味をご紹介します。
海外出張が多い
海外営業をやってると担当国に出張に行く機会が多いです。いまではすっかり慣れてしまいましたが、若い頃は海外出張に行くとなると正直なところ半分旅行気分もありワクワクしました。
キャリーバッグを引っ張って空港に移動し、ビジネスラウンジで寛ぎながらPCを立ち上げてカタカタを出張準備の最終確認。機内ではワインを飲みながら映画でも見て英気を養う。正直これだけでめちゃめちゃテンション上がります。
海外出張に行くと、数万円の支度金が支給されたり、国内出張以上の出張手当が支給されますので金銭的メリットもあります。
またマイルは個人につきますので、出張が多い方は家族で旅行に行けるくらいマイルが貯まります。
週末を跨ぐ出張スケジュールであれば週末は現地で休みを取れることが多いので、観光・ショッピング・ゴルフなどを楽しむこともできます。
※旅行気分で不謹慎な話ばかりしてますが、もちろん高い旅費を使って出張に行くので手ぶらでは帰れないというプレッシャーは強いです
駐在で海外生活が味わえる
なんと言ってもこれが海外営業の一番の醍醐味です。
日本で数年の経験を積んだ後に海外の販売現法に駐在するのが一般的なパターンで、駐在期間は4〜5年間くらいが多いです。(駐在に出れるまでの期間や駐在期間の長さは会社によって異なります)
ちなみに私の場合は入社して3年目で初の海外駐在に出て4年間を海外で過ごし、日本に戻って4年後に再び4年半の海外駐在に出ました。いまの会社で半分以上の時間を海外で過ごしてます。
仕事と給料が保証されながら海外生活ができるので、海外生活に憧れる方にとっては夢のような話です。私が海外営業の道を選んだ理由は海外駐在がしたかったからです。
個人で海外移住するのはかなり大変です。現地での仕事探し・家探し・ビザ手配・海外引越し・保険加入・電気ガス水道の契約・生活用品の準備・自動車購入・自動車保険加入などなど細かいことを挙げるとキリがないくらい膨大な準備が必要です。また海外居住期間の日本側での税金・年金・保険など様々な手続きもあります。またそれらに関わる費用も相当な出費になります。
ところが海外駐在ですと全ての手続きを会社がやってくれる上に、必要な経費は会社が負担してくれますので非常に安心です。
日本では味わえない刺激がある
言葉も文化も商習慣も異なる人間と一緒に仕事をするので、様々な異文化を体験することができます。
人はいいけど仕事はいい加減、仕事はトロイけど真面目、仲間意識が強い、など国によって文化や国民性が様々です。正直イライラすることも多々ありますが、うまく適応しながらその違いの壁を乗り越えていくのが実は海外営業の面白みだったりします。
また特に開発途上国を担当すると自分の支援が現地の人々の生活を豊かにしていく様を目の当たりにすることができます。生活インフラが整っていないところに自分が商品やサービスを提供することで、そこに住む人々が新たな仕事を得たり、生活スタイルが変わることも多くあります。そんな時に現地の人からの笑顔や感謝に触れると本当にやりがいを感じます。
海外営業に求められるスキル
では海外営業になるためにはどのようなスキルが求められるのでしょうか?
一定の英語力とコニュニケーション能力
コミュニケーションを取るために英語力は言うまでもなく必要ですが、帰国子女並みの英語力は不要です。目安で言うとTOEIC700点レベルあれば英語力としては合格です。実際に私の周りにもカタカナ英語程度の人はたくさんいます。あくまで大切なのはコミュニケーションスキルです。
商談においては、自分の言いたいことを伝え、相手の話を読み解き、会話の中で双方をうまくぶつけながら落とし所を見つける、そういった柔軟な対応が必要です。そう言ったコミュニケーションができる人は相手からの信頼も得ることができます。
よくある悪い例は、英語はペラペラだけど相手の話を聞くばかりで、当たり障りのない返事ばかりして、結果的に相手の言い分をただ持ち帰ってくることです。これでは相手にとっても会議で有益な情報や結果が何も得られず時間のムダになってしまいます。
海外営業というと「流暢な英語が喋れないといけない」と思われがちですが、英語レベルは一定レベルあれば良くて、大切なのは相手との信頼関係を築き、物事を前に進めるためのできるコミュニケーション能力です。
外国人に負けない自己主張力
日本の社会では奥ゆかしさや謙虚さが美徳とされがちですが、海外では「主張のない人」と見られてしまいます。
日本人は「ここまで言ったら図々しいんじゃないか」とか「相手の機嫌を損ねてしまうんじゃないか」と考え、遠回しな表現をしたり、主張を和らげたりしがちです。しかし海外では自分の主張をストレートにぶつけないと相手には伝わりません。
「言葉にしなくても分かるでしょ?」って思ってても、相手にすると「だって何も言わなかったじゃん」ということになります。
商談の場でも最善を尽くして「結果を待つ」のではなく「結果を奪い取りにいく」くらいのアグレッシブな姿勢が大切です。
日本人の感覚だと「図々しい」と思われるくらいの自己主張が必要です。
異文化に適応する柔軟性
海外営業をやってると通常は複数の国の同時に担当することになります。またローテーションなどで担当地域も変わりますので世界中の様々な民族性・商習慣を持つ人たちと仕事をすることになります。そういった異なるバックグラウンドを持つ相手とうまく付き合える柔軟性も必要です。
特に駐在員として海外の国で仕事をする場合は現地の文化や習慣を尊重しながらローカルスタッフとうまく付き合うことが大切です。
よくある悪い例は、日本式の仕事方法をそのままローカルスタッフに強要するパターンです。
例えば日本人の感覚だと必要なら残業するのは当たり前と考えてしまいますが、多くの国では仕事は定時で終わらせ早く帰って家族との時間を過ごすものという感覚です。にも関わらず頻繁に残業に付き合わせていると「家族と過ごす時間の邪魔をする外国人」というように見られ総スカンを喰らってしまいます。そいういった国では逆に朝早く出社する方が抵抗がないので残業ではなく早出をお願いする方が良いです。
また別の例を挙げると、日本と比べて時間感覚がルーズな国も多いです。そんな国で働いていて取引相手やスタッフに対して必死になって時間厳守させようとしてもムダです。下手したら関係が悪くなるだけです。海外で働いているとその国の国民性や慣習を受け入れ自分を適応させることも必要です。
海外営業になるためには
ここまで読んで頂いて、海外営業ってどんな仕事かイメージがつかめ自分もやってみたい、と思ったならぜひ挑戦してみるのをおすすめします。
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